川崎 九八式軽爆撃機(キ32)

陸軍:昭和12年初飛行、昭和13年仮制式採用、昭和15年生産終了

98式軽爆
工場から出たばかりの九八軽爆生産型(愛国439号機か?)

 昭和11年に陸軍が三菱・川崎両社に指示した低翼単葉軽爆撃機の競争試作で、川崎が開発した のが当機キ32である。しかし発動機の不調から当機は採用されず、かわりに 九七式軽爆撃機として採用されたのが 三菱のキ30であった。
 だが翌年中国との全面戦争が開始され陸軍の深刻な航空機不足が露呈したため、当機も昭和1 3年に急きょ九八式軽爆撃機として生産発注を受けた。これは 九七式重爆撃機の生産に追われてい た三菱では九七式軽爆撃機の増産が難しかったため、 九五式戦闘機以降採用機が無く、生産能 力に余裕があった川崎にも制式機を発注することで軽爆撃機の拡充を図ったからである。余力のあ った川崎は陸軍の期待によく応え、ピーク時には月産50機というハイペースで生産が行われてい る。
 日華事変後期から太平洋戦争の初期まで近距離爆撃任務に従事し、香港・シンガポール編隊爆撃 など数々の武勲をたてたが、多くの液冷エンジン装備の日本機と同様、気まぐれな発動機のため稼 働率は良くなく、昭和17年には全機が第一線から引退し以後は訓練部隊で使用されている。

機体詳細データ(九八式軽爆撃機[キ32])
全長11.60m全高 2.90m
全幅15.00m翼面積34.00m2
自重2,350kg最大重量3,760kg
最高速度420km/h(高度3,500m)上昇限度8,900m
航続距離2,000kmプロペラ金属製固定ピッチ3翅
発動機川崎九八式(ハ9II乙)液冷V型12気筒 公称700馬力×1基
乗員数 2名総生産機数 854機
武装7.7ミリ機銃×2〜3(前方固定1、後方旋回1〜2)、爆弾最大450kg
主要タイプ 九八式軽爆(キ32):派生・改良型は無し。量産型は発動機の改修が行われている