中島 陸上攻撃機「深山」

海軍:昭和14年〜15年

技術力不足により失敗に終わった大型機

深山
陸上攻撃機「深山」改

 昭和13年に4発エンジンの大型長距離陸上攻撃機を目指した十三試陸上攻撃機として開発がスタート。米国 から輸入した大型輸送機DC−4Eを元にして設計が進められた。
 昭和14年「火星」一二型発動機を搭載した試作1号機が完成。引き続き増加試作機(「深山」改:「護」一 一型発動機搭載)5機を製作したが、当時の日本の技術力ではこのような大型機を量産・実用化するのは困難で、 「護」一一型の出力不足や振動問題、信頼性不足などを理由に制式採用に至らなかった。
 製作された試作機は魚雷などの大型貨物の輸送機として使用するため改造され、深山改輸送機と名付けられた。 この輸送機型は武装を撤去し、後部下方銃座部分に観音開きの貨物ドアを設けたもので、4トンの貨物と8名の 兵員を輸送することが可能だった(もちろん貨物を搭載せず、もっと多くの兵員を輸送することも可能だった)。
 陸上攻撃機としては失敗作となった当機であるが、「連山」を 設計するにあたって本機は多くの基礎資料を提供したという点で、まったくの無駄であったとは言いがたい。

機体詳細データ(陸上攻撃機「深山」改[G5N2])
全長31.02m全高 6.13m
全幅42.14m翼面積201.80m2
自重20,100kg最大重量32,000kg
最高速度420km/h(高度4,100m)上昇限度9,050m
航続距離5,660〜7,760kmプロペラハミルトン定速4翅
発動機中島「護」一一型空冷複列星形14気筒 公称1,750馬力×4基
(「深山」は三菱「火星」一二型空冷複列星形14気筒 公称1,480馬力×4基)
乗員数7〜10名
(輸送機型は乗員6名)
総生産機数 6機(「深山」2機、「深山」改4機)
(輸送機型は「深山」改4機を改修)
武装7.7ミリ機銃×4(上方・下方・胴体左右各1)、20ミリ機関砲×2(機首・尾部各1)、
爆弾最大4,000kg(輸送機型への改造機には武装なし)
主要タイプ 深山(G5N1):原型機。「火星」一二型発動機搭載、3翅ペラ
深山改(G5N2):増加試作機。「護」一一型発動機搭載
深山改輸送機(G5N2-L):深山改を輸送機に改装した機体。約4tの貨物を搭載可能