国際 四式特殊輸送機(ク8)

陸軍:昭和16年初飛行、昭和19年制式採用、昭和20年生産終了

ク8
四式特殊輸送機(ク8II)

 日本国際航空が一式輸送機として開発した機体は、馬力不足により成功作とは言いがたいものであった。しかし陸軍は木金混成の機体製作経験に目を付け、日本国際航空に対し一式輸送機の機体から動力装置を外した輸送用滑空機(グライダー)の試験機試作を指示した。
 昭和16年の夏に初飛行した試験機はク8と名付けられ、さまざまな飛行試験を行ったがあくまでも試験機であったため制式兵器として採用するわけにはいかず、ク8を改良した機体をク8IIとして再度要求することとなった。
 昭和18年に完成したク8II型は兵員なら15〜20名、兵器輸送なら四一式山砲1門を搭載できる機体で、機首部分は操縦席後方で90度に開くことができ大型貨物の出し入れも容易になっていた。昭和19年にようやく制式採用され四式特殊輸送機と命名された。陸軍は当機を利用して太平洋諸島における部隊展開を計画、九七式重爆撃機を曳航機とした部隊編成まで行われたが、制空権の確保できない戦場でグライダーを曳航した機体を飛ばすこと自体が自殺行為であったため、結局終戦まで大規模作戦に参加することはなかった。
 なお資料によっては、ク8IIIの機体にハ211エンジンを搭載し、動力化したものがキ111であるとしているものも見受けられる。

機体詳細データ(四式特殊輸送機[ク8II])
全長13.30m全高 3.50m
全幅23.20m翼面積50.70m2
自重1,700kg最大重量3,500kg
最高速度224km/h(最大曳航速度)上昇限度母機の性能による
乗員数2名+兵員20名総生産機数 619機
武装武装なし
主要タイプ ク8:一式輸送機を元にした曳航式輸送グライダー試験機
四式特輸(ク8II):ク8を改良した制式型
ク8III:機体強度を強化、許容速度を330km/hに引き上げたモデル。計画のみ
キ111:ク8IIIにハ211エンジン(2,200hp)2基を搭載した輸送機型。計画のみ