満飛 キ98試作戦闘襲撃機

陸軍:計画中止のため完成せず

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 日満合弁会社として設立された満州飛行機(前身は満州航空株式会社の工廠)だったが、航空機製造メーカー として基礎ができてきたため、陸軍は昭和17年にキ98の名で高々度戦闘爆撃機の開発を指示した。この機体 は「戦闘・襲撃機の研究用」ということで発注されているが、完成した機体の性能如何では制式採用・実用化も 目論まれていたようだ。
 経験が少ないメーカーであったが、そのかわりに既存の感性に縛られない設計思想を持っていた満州飛行機技 術陣は、双胴推進式という奇抜なデザインの機体を設計(機体形状のイメージは 局地戦闘機「震電」の胴体と主翼に ロッキードP−38のような双胴双尾翼 を取り付けたものを想像してください)、昭和19年にモックアップ(実物大模型)を完成させた。
 ところが同年末に奉天にあった同社工場が爆撃されたため開発作業は一時中断となり、翌年作業は再開された ものの終戦までに実機が完成することは無かった。
 ちなみに推進式戦闘機といえば海軍の「震電」の他にも 局地戦闘機「閃電」キ94(これは推進牽引式だが)、 海外でもカーチスライトXP−55ノースロップXP−56などの機体 が思い出されるが、結局大戦中にモノになった機体は中立国だったスウェーデンが完成させた サーブJ21ぐらいで、他の国では 完成・制式採用できずに終わっている。

機体詳細データ(キ98試作戦闘襲撃機[キ98]:計画値)
全長11.40m全高 4.30m
全幅11.26m翼面積24.00m2
自重3,500kg最大重量5,500kg
最高速度710km/h(高度10,000m)上昇限度10,000m
航続距離1,200kmプロペラハミルトン定速4翅
発動機三菱ハ43-11ル空冷複列星形18気筒 公称2,070馬力×1基
乗員数 1名総生産機数実機完成せず
武装37ミリ機関砲×1、20ミリ機関砲×2(各前方固定)
主要タイプ キ98:高々度戦闘機/戦闘襲撃機。終戦までに実機完成せず