川崎 キ96試作双発戦闘機

陸軍:昭和18年初飛行、開発中止のため量産されず

キ96
キ96試作双発戦闘機試作機(尾翼ナンバーから3号機だと判る)

 陸軍は昭和17年8月に二式複座戦闘機「屠龍」の 後継機となる重武装迎撃機の開発を川崎航空機工業に指示した。最初は「屠龍」の性能向上型を目論んでい たが後方射手は必要性が薄く実戦であまり役に立たないため、同年12月に改めて単座高速戦闘機としてキ 96の試作が命じられた。
 設計は順調に進み翌年6月に設計完了。9月には試作機が完成し飛行試験に着手した。双発戦闘機としては まずまずの性能を発揮したが、戦局が変わり高空を飛行する敵爆撃機に対する迎撃を行うには、排気タービン を持たないキ96では能力不足となり、低中高度戦闘機である当機の実用化は中止されてしまった。
 実用化されなかったため無駄な開発作業であったかもしれないが、この機体の設計成果は キ102キ108などの高速双発戦闘機へ引き継がれて いったのである。

機体詳細データ(キ96試作双発戦闘機[キ96])
全長11.45m全高 3.70m
全幅15.57m翼面積34.00m2
自重4,550kg最大重量6,000kg
最高速度600km/h(高度6,000m)上昇限度11,500m
航続距離1,600kmプロペラ定速3翅
発動機三菱四式(ハ112-II)空冷複列星形14気筒 公称1,350馬力×2基
乗員数 1名総生産機数 3機
武装37ミリ機関砲×1、20ミリ機関砲×2(各前方固定)
主要タイプ キ45改-II:複座双発重戦闘機。二式複座戦闘機「屠龍」の性能向上型として計画された
キ96:キ45改-IIの設計方針を変更した単座双発重戦闘機。試作のみ