立川 キ94試作高高度防空戦闘機

陸軍:終戦のため量産されず

キ94
キ94試作高高度防空戦闘機(二型)試作機

 陸軍は中島飛行機に対しキ87の開発指示を行うと同時に、立川飛行機へ対しても高々度戦闘機の試作を指示した。立川飛行機はそれまで戦闘機設計製作の実績が無く、会社規模も三菱や中島と比べて小さかったため試作機完成が危惧されたが、その反面、新機種設計に対してユニークな視点を持っていたことも否めない。
 昭和18年末に立川飛行機はキ94の実物大モックアップ(木型で作った審査用の模型)を完成させた。これは中央胴体の前後にエンジンを搭載し二本のビームで尾翼を支持する斬新なデザインをした機体であったが、乗員脱出時に尾部プロペラが邪魔になることやエンジン・タービンの配置に難があることなどから不採用となった。
 そこで一転してオーソドックスな機体設計を採用、量産性を持たせた機体として再設計を行い完成したのがキ94二型と呼ばれる機体である(したがって不採用となった機体はキ94一型と呼ばれる)。中島のキ87が期待した性能を満たせなかったため、キ94に対する高々度戦闘機としての重責は一層強くなり、突貫作業にて設計試作が進められ、昭和20年7月に日本の単発戦闘機としては最大級の大きさを持つ試作1号機が完成したが、地上試験の途中で終戦を迎えており、一度も空中へ舞い上がることなく終わっている。
 なお、昭和18年夏に陸軍航空技術研究所に対して、キ94の襲撃機型改造の設計が指示されているが、キ94一型の開発が中止となった時点で、襲撃機型の開発も中止となってしまっている。なお、資料によってはこの襲撃機型をキ−104としているものもある。

機体詳細データ(キ94二型[キ94-II]:性能は計画値)
全長12.00m全高 4.65m
全幅14.00m翼面積28.00m2
自重4,860kg最大重量6,550kg
最高速度720km/h上昇限度14,100m
航続距離2,200kmプロペラVDM定速6翅
発動機中島ハ219ル空冷複列星形18気筒 公称2,350馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 1機
武装30ミリ機関砲×2、20ミリ機関砲×2(各前方固定)、「タ」弾×2
主要タイプ 一型(キ94-I):機体前後に発動機を搭載した双発型。モックアップ製作のみ
襲撃機型(キ104):キ94-Iの襲撃機型。航技研担当。計画のみ
二型(キ94-II):通常形態の単発型。試作のみ