航空工廠 キ93試作襲撃機

陸軍:昭和20年初飛行、終戦のため量産されず

キ93
キ93試作襲撃機

 第一次大戦において出現した戦車は地上戦の様相を変えてしまった。日本軍も昭和14年のノモンハン事件で ソ連戦車と交戦したが、日本軍の戦車では歯が立たず苦戦を強いられた。ところが戦車の上面装甲は意外と薄く、 ドイツ軍やイギリス軍は航空機に搭載した大口径機関砲での銃撃によって戦果を挙げていたため、日本陸軍でも 対戦車戦闘を念頭に置いた地上襲撃機の開発に着手することにした。
 昭和18年に陸軍は川崎航空機工業に対して キ102試作戦闘/襲撃機の試作を指示したが、 同時に陸軍航空工廠においてもキ93試作襲撃機の開発に着手する事とした。
 キ93は進化する戦車の装甲に対応できるよう、諸外国の対戦車攻撃機よりも大口径の57ミリ機関砲(ドイ ツ軍のユンカースJu87は37ミリ 機関砲、英軍のホーカー・ハリケーン は40ミリ機関砲搭載)を装備した。
 戦闘機並の速度を要求されたことから双発機となったが、搭載するハ214発動機が所定の出力を発揮せず、 新開発の6翅プロペラにも不具合が続発したため製作は難航、昭和20年4月に完成した試作1号機は要求値を 満たすことが出来なかった。結局完成した試作1号機は空襲により焼失、続く機体も空襲の激化により製造が ままならず結局終戦までに3機が完成したに過ぎなかった(2号および3号機は未完成だったという説もある)。

機体詳細データ(キ93試作襲撃機甲型[キ93甲])
全長14.22m全高 4.85m
全幅19.00m翼面積54.75m2
自重7,686kg最大重量10,666kg
最高速度624km/h(高度8,300m)上昇限度12,050m
航続距離3,000kmプロペラVDM定速6翅
発動機三菱ハ214フ空冷複列星形18気筒 公称2,130馬力×2基
乗員数 2名総生産機数 3機(1機説あり)
武装57ミリ機関砲×1、20ミリ機関砲×2(各前方固定)、12.7ミリ機銃×1(後方旋回)、
爆弾500キロ搭載
主要タイプ キ93:派生・改良型は無し。試作のみ