中島 キ87試作高高度戦闘機

陸軍:昭和20年初飛行、終戦のため量産されず

キ87
キ87試作高高度戦闘機試作機

 昭和17年に日本陸軍は、敵国であるアメリカが高々度を飛行できる大型爆撃機 B−29を完成させたという情報を 掴み、これを要撃できる高々度戦闘機の開発を数社に指示した。この開発命令を受けて中島飛行機が設計開 発したのが、このキ87試作高高度戦闘機である。
 しかし設計は昭和17年11月に着手したものの、同時期に中島が開発中であった 四式戦闘機「疾風」の完成が優先され、また高 々度用エンジンハ219ル(後に統一呼称ハ44−12ルへ改称)などの開発の遅れから、設計図面の完成は 昭和19年11月となってしまった。
 機体設計は同社の一式戦闘機「隼」から続く 機体設計の流れを汲んでいるが、高々度用装備や防弾装備を搭載しているため全備重量で6トンを超える大 型機となっている。なお操縦室については被弾時のことを考えて与圧はされず、高々度飛行に際してパイロ ットは酸素ボンベを使用することになっていた。
 昭和20年2月に原型1号機が完成したが、他の試作高々度戦闘機と同様にタービン付きエンジンの不調が 頻発し、5回の試験飛行を行っただけで終戦を迎えている。

機体詳細データ(キ87試作高高度戦闘機[キ87]:性能は予想値)
全長11.82m全高 4.50m
全幅13.42m翼面積26.00m2
自重4,387kg最大重量6,100kg
最高速度706km/h(高度11,000m)上昇限度12,855m
航続距離1,658〜3,170kmプロペララチエ式定速4翅
発動機中島ハ44−12ル空冷複列星形18気筒 公称2,350馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 1機
武装30ミリ機関砲×2、20ミリ機関砲×2(各前方固定)、250キロ爆弾×1等
主要タイプ キ87:派生・改良型は無し。試作のみ