立川 キ77長距離研究機

陸軍:昭和17年初飛行、研究機のため量産されず

キ77
キ77長距離研究機1号機

 昭和15年に朝日新聞社は皇紀二千六百年を記念して「東京〜ニューヨーク間無着陸親善飛行」を計画し、 これに使用する機体の研究開発を帝大航空研究所に依頼した。また陸軍もこれに先立ち立川飛行機に対し キ74試作遠距離偵察爆撃機の開発指示を行 っており、そこで集めた基礎資料を実際に試験するため、この朝日新聞社の計画機にキ77長距離研究機 の名称を与え陸軍試験機としても扱うこととし、製作を立川飛行機に指示した。
 細長い主翼や抵抗を少なくするための流線型胴体を持った1号機が昭和17年10月に完成、翌年4月に は東京〜シンガポール間無着陸飛行に成功した。また昭和18年4月に完成した2号機はドイツへの連絡飛 行作戦(セ号飛行)に従事することになったが、7月にシンガポールを離陸後行方不明となった(連合軍に も撃墜記録がないため遭難したと思われる)。
 残された1号機で昭和19年7月に性能限界テストを行うことになり、満州上空にて長距離周回飛行記録 に挑み、16,435kmを約57時間で飛行し見事世界記録を樹立したのである(ただし戦時中のため国 際公認はされていない)。
 終戦時にスクラップ同然の姿で生き残っていた1号機は進駐してきた米軍に接収され、修理の後に航空母 艦の甲板に積まれ米本国へ輸送されたが、途中で荒天のため海に沈んだと伝えられている。

機体詳細データ(キ77長距離研究機[キ77])
全長15.30m全高 3.85m
全幅29.44m翼面積79.56m2
自重7,237kg最大重量16,725kg
最高速度440km/h(高度4,600m)上昇限度8,700m
航続距離18,000km(計画値)プロペラハミルトン定速3翅
発動機中島ハ115特空冷複列星形14気筒 公称1,090馬力×2基
乗員数6名(2号機は8名)総生産機数 2機
武装武装なし
主要タイプ キ77:派生・改良型は無し。研究実験機のため量産化されず
A-26:朝日新聞社での当機通称。Aは朝日新聞社の頭文字、26は皇紀二千六百年を指す