中島 九四式偵察機(キ4)

陸軍:昭和9年初飛行、同年仮制式採用、昭和12年生産終了

九四式偵察機
九四式偵察機(集合排気管式の乙型)

 近距離偵察機として九二式偵察機を使用 していた陸軍だったが、より高速を発揮でき戦闘機なみの運動性をもった新型偵察機を後継機として欲 し、昭和8年に中島に対して試作指示を行った。
 指示を受けた中島では洗練された一葉半機(複葉だが下翼の大きさが上翼よりもかなり小さい機体)の 試作機を翌年3月に完成させている。試験飛行の結果、若干の小改修を受けた機体は同年10月に仮制 式採用、九四式偵察機と呼称されるようになった。
 木金混合構造布張りの放物線テーパー翼、全金属製モノコック構造の胴体を持つ機体設計と信頼性の高 い「寿」系発動機の組み合わせで実働率も高く、日華事変初期から中期にかけて大陸戦線で活躍した。 当初は軍事機密として存在を公表されていなかった当機だが、昭和12年に陸軍が公表し、日本初の時速 300キロ級偵察機として喧伝した。なお偵察任務以外にも小型爆弾による軽爆撃や作業練習機としても 使用されている。優秀な機体性能から各種試験にも使用されており、カタパルト射出型や水上機型、ス キー式降着装置型などの変形試作機も製造された。
 太平洋戦争開戦時にはすでに旧式化していたが、まだ多数の機体が連絡・補給任務に従事していたという。 生産は中島以外に立川飛行機や満州飛行機でも行われた。

機体詳細データ(九四式偵察機[キ4])
全長 7.73m全高 3.50m
全幅12.00m翼面積29.7m2
自重1,664kg最大重量2,616kg
最高速度300km/h上昇限度8,000m
航続距離不明プロペラ調整ピッチ2翅
発動機中島九四式五五〇馬力(ハ8) 星形空冷9気筒 公称600馬力×1基
乗員数 2名総生産機数383機
武装7.7ミリ機銃×4(前方固定2、後方旋回2)、25キロ爆弾×2等
主要タイプ キ4:原型及び生産前機の呼称
甲型(キ4甲):初期生産型。単排気管式。後に主脚スパッツ撤去や爆弾架追加を実施
乙型(キ4乙):後期生産型。集合排気管式。爆弾架は最初から装備
九四式軽爆撃機:軽爆撃任務に使用された機体の非公式呼称
T型作業機:航空局の作業機に改造されたもの。ベースは乙型。三座で観測・測量に従事
改造型:主脚をフロートに変更した水上機型、スキー装備型などが少数存在する