中島 キ201試作戦闘爆撃機「火龍」

陸軍:終戦のため未完成

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 昭和19年にドイツから潜水艦で輸送したメッサーシュミットMe262の資料を入手した海軍ではその資料を基に特殊攻撃機「橘花」の開発を中島に対して指示した。
 陸軍でも燃料事情の悪化や性能の高い連合国軍機に対抗するために高性能戦闘機を欲していたことから海軍に追随し、ジェット戦闘機「火龍」の試作指示を同社に行ったのである。
 海軍では「橘花」を特殊攻撃機として使用することを前提としていたため固定武装は搭載しなかったが、陸軍では「火龍」に戦闘機としての固定武装搭載や、爆撃機としての爆弾搭載能力を求めたため機体は大型化した。陸軍の要求した性能は『速度:時速800〜1,000キロ』『航続力:1,000キロ以上』『上昇限度:12,000メートル以上』『500〜800キログラムの爆弾搭載可能』という本家Me262を上回るもので、当時の日本航空機界では実現不可能ともいえる過酷な物であった。
 搭載するジェットエンジンはBMW003を原型とした「ネ230」または「ネ130」軸流ターボジェットを予定しており、機体・エンジン共に昭和20年6月に設計図面が完成、昭和21年3月までに原型機を含め18機の製作を予定していたが、実機の完成を見ないまま終戦を迎えてしまった。

機体詳細データ(キ201試作戦闘爆撃機[キ201]:計画値)
全長11.50m全高 4.05m
全幅13.70m翼面積25.00m2
自重4,500kg最大重量7,000〜8,500kg
最高速度852km/h(高度10,000m)上昇限度12,000m
航続距離980kmプロペラなし(ジェット推進)
発動機中島「ネ230」又は「ネ130」軸流ターボジェット
 静止推力 905kg×2基(ネ130)、885kg×2基(ネ230)
乗員数 1名総生産機数実機完成せず
武装30ミリ機関砲×2、20ミリ機関砲×2、500〜800キロ爆弾×1
主要タイプ キ201:ジェット戦闘爆撃機。設計段階で終戦のため実機完成せず