中島 キ19試作重爆撃機

陸軍:昭和12年初飛行、不採用のため量産されず

キ19
同盟通信社に払い下げられ同社の連絡機として使用されるキ19

 九三式重爆撃機の後継機選定として陸軍は 三菱・中島両社に対してキ19試作重爆の開発を指示した。両社の競争試作となった訳だが、このよう に複数の受注者に対し同じキ番号が与えられるのは珍しいケースである(三菱機には最初からキ21の キ番号が与えられていたとする説もある)。
 指示を受けた中島では、これまでのスタイルを一新する流線型胴体に片持式中翼配置短翼の主翼を組み 合わせた機体を設計した。この機体は胴体内部に爆弾倉を持ち、引き込み式の主脚を装備するなど先進的 な機体であり、三菱が提出した試作機との競争審査においても性能にそれほど差が有ったわけでは無かっ た。しかし陸軍では政治的判断から両社機の採用を断念、折衷案として中島案の発動機と三菱案の機体設 計を組み合わせた機体をキ21 (後に九七式重爆撃機の名で採用)として改 めて三菱に発注したため、当機は審査用の原型機4機のみが製作されただけに終わった。
 この競争審査では両メーカーに対してしこりを残したため、実力主義の欧米と違い、全者横並びを好む日 本らしく以降このような競争試作は行われなくなった。審査終了後、原型機は民間の通信社に払い下げら れ長距離通信機として使用された。

機体詳細データ(キ19試作重爆撃機[キ19])
全長15.00m全高 3.65m
全幅22.00m翼面積62.692
自重4,750kg最大重量7,150kg
最高速度350km/h上昇限度不明
航続距離4,000kmプロペラハミルトン可変ピッチ3翅
発動機中島九七式(ハ5)空冷複列星形14気筒 公称890馬力×2基
乗員数 5名総生産機数 4機
武装武装は未定だった。最大搭載量2,400kg
主要タイプ キ19:単葉双発爆撃機。原型機のみ製作、採用されず