三菱 キ109試作特殊防空戦闘機

陸軍:昭和19年初飛行、終戦のため制式されず、昭和20年生産終了

キ109
キ109試作機(機首前方に突き出しているのが75ミリ砲の砲身)

 太平洋戦争の戦局が連合国側へ傾き日本本土が敵爆撃機の脅威にさらされるようになって、米軍爆撃機の重装甲に対抗できる破壊効果の高い砲を搭載した迎撃機の必要性を感じた日本陸軍は昭和18年に飛行試験中だった四式重爆撃機「飛龍」の機動性に目を付け、これに陸軍の八八式75ミリ高射砲を搭載、敵爆撃機を遠距離から迎撃できる防空戦闘機開発を三菱に打診した。
 三菱側は少しの機体補強で75ミリ砲の搭載が可能であると結論、陸軍も昭和19年1月に正式にキ109試作特殊防空戦闘機として試作指示を出した。
 同年8月には試作1号機が完成、地上テストの時は好成績を出したが試作1号・2号機で実施された実戦テスト(実際にB−29を迎撃した)では、排気タービン無しのエンジンでは高々度を飛行する敵機に追随できず役には立たなかった。ちなみに75ミリ砲の有効射程は約2000m、携行弾数は15発だったという。
 防空戦闘機としては役に立たなかったが、来るべき本土決戦では大口径砲を生かして艦船攻撃に使用する予定で、終戦までに計22機が生産されたが実際に戦闘へ参加する機会はなかった。

機体詳細データ(キ109試作特殊防空戦闘機[キ109])
全長17.95m全高 5.80m
全幅22.50m翼面積65.85m2
自重7,424kg最大重量10,800kg
最高速度550km/h(高度6,090m)上昇限度9,470m(四式重爆の数値)
航続距離2,000kmプロペラVDM定速4翅
発動機三菱四式(ハ104)空冷複列星形18気筒 公称1,870馬力×2基
乗員数 4名総生産機数 22機
武装75ミリ砲×1、12.7ミリ機銃×1
主要タイプ キ109:双発迎撃機。少数機が生産されたのみ