川崎 キ108試作高高度戦闘機

陸軍:昭和19年初飛行、終戦のため制式採用されず、昭和20年生産終了

キ108
キ108試作1号機

 昭和18年、高々度を飛来するB−29を迎撃するために陸軍では各種の迎撃用戦闘機の開発指示を出した。
 川崎航空機工業もキ102甲型を試作して陸軍の要請に応えていたが、キ102は高々度を飛行するための操縦者保護装備を持たなかったので、与圧した操縦室を持った戦闘機の試作に続いて取り組むことになった。
 そこでキ102の胴体に繭型気密カプセル操縦室を装備した機体を設計、陸軍もこれをキ108として承認、試作に入り昭和19年7月に非武装の試作1号機が完成した。
 与圧カプセル内は高度1万メートルで高度3000メートルと同等の気圧に与圧され、操縦者は酸素マスクや電熱服を装備しなくても行動できるようになっていた。あまりに気密性が高かったため操縦者は外の音を聞くことができずテストパイロットに「エンジンの音が聞こえない飛行機を操縦するのは初めてだ」と言わしめたほどであったという。昭和19年夏にはキ108の高高度性能向上型となる実戦機キ108改の設計が開始され、昭和20年3月に1号機が完成している。
 しかし、試作機のテスト中に高々度双発迎撃機の重点生産機種をキ102甲とすることが決定、それからすぐに終戦を迎えてしまったため、キ108は試作機2機(改型とあわせて4機)が完成したのみであった。
 なお、キ108はキ102の機体を流用しているが、キ108改はキ48(九九式双発軽爆撃機)の主翼と胴体を流用し新設計としている。

機体詳細データ(キ108試作高高度戦闘機[キ108改])
全長13.05m全高17.35m
全幅 3.70m翼面積40.00m2
自重5,200kg最大重量7,600kg
最高速度600km/h(高度10,000m)上昇限度13,500m
航続距離2,200kmプロペラハミルトン定速3翅
発動機三菱一式(ハ112−IIル)空冷複列星形14気筒 公称1,350馬力×2基
乗員数 1名総生産機数4機(キ108、改とも各2機)
武装37ミリ機関砲×1、20ミリ機関砲×2
主要タイプ キ108:キ102の機体を流用した高々度飛行研究原型。非武装
キ108改:キ48の主翼・胴体を流用した高々度戦闘機。原型のみ