東航 キ107初歩練習機

陸軍:昭和18年初飛行、昭和19年制式採用、昭和20年生産終了

キ107
キ107初歩練習機

 太平洋戦争開戦後、陸軍では航空兵力の増強と共に大量の操縦士を養成する必要が生じたことから短時間に操縦基本技術の習得ができ、しかも量産・保守が容易である基本練習機を開発することとした。
 大手メーカーは一線級の軍用機生産で手一杯だったため、東京航空株式会社に対してキ107初歩練習機の試作指示を行い、昭和18年秋に試作1号機が完成し、翌年1月まで飛行試験を行った結果、旧来の九五式初歩練習機に比べて速度に勝り、航続力も同等で、操縦安定性も良好だったため採用となった。
 しかし貴重な金属資材を使わないために全木製(日本で普遍的に存在する杉材を使用)としたことや、量産化工作を容易にするため全体的に直線基調のデザインとしたことで重量が過大となってしまい、発動機の馬力不足と相まって実用化の見通しが立たず、量産に慣れない弱小メーカーとしての経験不足もあって少数が生産されただけで終戦を迎えてしまった。
 だが大戦中に開発された各種の全木造機体のうちでは最もよくまとまった設計の機体であり、開戦後に開発が開始された機体としては成功作の部類に入るであろう。

機体詳細データ(キ107初歩練習機[キ107])
全長 8.05m全高 2.70m
全幅10.02m翼面積15.44m2
自重 590kg最大重量 829kg
最高速度157km/h上昇限度3,000m
航続距離 475kmプロペラ木製固定ピッチ2翅
発動機日立四式(ハ47)空冷倒立直列4気筒 公称110馬力×1基
乗員数 2名総生産機数数機(46機説もある)
武装武装なし
主要タイプ キ107:全木製複座練習機。少数機が完成したのみ