国際 キ105試作輸送機

陸軍:昭和19年初飛行、終戦のため制式採用されず、昭和20年生産終了

キ105
キ105試作輸送機

 昭和17年に試作された大型輸送用グライダー「ク7」の設計を流用し、発動機をつけた 大型輸送機。
 陸軍は、昭和19年に7トン級の軽戦車または同等の物資・兵員を輸送できる木金混成の大型輸送機開発を計画し、「ク7」の設計を流用した機体の開発を日本国際航空に指示した。そこで双胴の先に1000馬力級のエンジン(ハ26)を取り付け、若干機体設計を手直しした試作機が昭和19年末に完成したのである。
 戦局が悪化するにしたがい、南方から石油を運ぶ船舶が連合軍に沈められ燃料の欠乏が顕著になってくると、軍部では当機体に南方で石油を満載したドラム缶26本を搭載させ本土へ飛行する計画を立てたが、制空権のない戦場では無理な作戦であっただろう。
 木製の機体であったため、部品の製作には京都周辺の家具工場が動員され、組み立てには小学校の講堂なども利用された。結局連合軍の本土空襲により工場が被爆したため少数機しか生産できず、作戦行動を行うことは無かった。

機体詳細データ(試作輸送機「鴻」[キ105])
全長19.92m全高 5.90m
全幅35.00m翼面積112.50m2
自重7,080〜8,000kg最大重量10,380〜12,500kg
最高速度300km/h(高度2,300m)上昇限度不明
航続距離1,500〜2,500kmプロペラHS定速3翅
発動機三菱「九九式」二型(ハ26-II)空冷複列星形14気筒 公称950馬力×2基
乗員数4〜5名総生産機数 9機
武装武装なし
主要タイプ キ105甲:試作輸送機。原型および試験機のみ製作。愛称は「鴻(おおとり)」
キ105乙:燃料輸送機型。ハ102エンジン(1080hp)搭載。計画のみ