川崎 五式戦闘機

陸軍:昭和20年初飛行、同年制式採用、同年生産終了

キ100
五式戦闘機一型乙(飛行第五戦隊所属機)

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 第二次大戦傑作機コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
五式戦
第28号(2017.03.21)
五式戦闘機 1945年
日本陸軍飛行第5戦隊 戦隊長 馬場保英大尉機


 昭和18年、陸軍では三式戦闘機「飛燕」の機体製造が最高潮となっていたが、搭載する液冷発動機の製造は故障の多発や整備の難しさから遅れがちであったため、エンジンの無い機体の在庫を多数抱えることとなっていた。
 これを解決するために昭和19年12月に、キ61の機体に空冷式の発動機(ハ112)を装備する設計を完成させ、翌20年2月に試作1号機の初飛行に成功した。この試作機は重量バランスが予想以上に良く、空戦性能も向上したため、この機体は直ちに五式戦闘機として制式採用された。しかし、戦争末期で生産が進まず終戦までの生産機数は多くない。なお戦争末期に採用されたため「飛燕」のような機体愛称はついていない(つける時間がなかった?)。
 三式戦闘機「飛燕」の胴体をそのまま流用した最初の生産型に続いて、後方視界を良くするため胴体後部を改設計し流線型の風防を装備した機体が製作されたが、こちらは99機製作されたのみとなっている。ちなみに、胴体背面が高いものを一型甲、全周視界風防を装備したものを一型乙と呼ぶが、甲乙の区分は非公式なものであった。主翼内部に12.7ミリ機銃を、胴体に20ミリ機関砲を搭載していたが、高々度迎撃任務のため主翼内機銃を撤去した機体も少数が存在した。
 また高々度での性能向上を目指して、排気タービン付きエンジンを搭載した機体(二型)も生産されているが、こちらは終戦のため原型機のみが完成しただけであった。

機体詳細データ(五式戦闘機一型甲[キ100−I甲])
全長 8.82m全高 3.75m
全幅12.00m翼面積20.00m2
自重2,525kg最大重量3,495kg
最高速度580km/h(高度6,000m)上昇限度11,000m
航続距離1,400〜2,200kmプロペラ定速3翅
発動機三菱四式(ハ112−II)空冷複列星形14気筒 公称1,350馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 396機
武装12.7ミリ機銃×2、20ミリ機関砲×2、250キロ爆弾×2
主要タイプ キ100:原型機の呼称。内容は制式機と変化なし
一型甲(キ100-I甲):制式型の呼称。胴体は三式戦闘機「飛燕」二型に準ずる(甲・乙の区分は非公式である)
一型乙(キ100-I乙):「飛燕」三型用に設計されていた全周視界風防を採用した機体
二型(キ100-II):「ハ-112-IIル」(排気タービン付)発動機を搭載した高々度性能向上型
キ119:キ100の機体を大型化した戦闘爆撃機。計画のみ