三菱 局地戦闘機「雷電」

海軍:昭和17年〜20年

基地防空の要となる迎撃戦闘機

雷電
局地戦闘機「雷電」

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 第二次大戦傑作機コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
雷電
第5号(2016.05.03)
局地戦闘機「雷電」1944年
日本海軍第352航空隊 青木義博中尉機


 敵攻撃機を阻止・撃破するための迎撃機として局地戦闘機は日華事変の戦訓や各国の開発状況からも必要性が高く認識されることになり、昭和14年に海軍は十四試局地戦闘機の開発を三菱に指示した。三菱では零式艦上戦闘機の開発主務者であった堀越技師を当機の主務者に据え開発を開始、昭和17年2月に原型機が完成、翌月から社内試験飛行が開始された。しかし幾つかの不具合が解消できず十四試局地戦闘機の試作は8機でうち切られてしまった。
 昭和16年7月に発動機を「火星」二三型に変更した十四試局地戦闘機改計画も発動し、こちらは昭和17年10月に原型機が完成した。いくつかの問題はあったものの局地戦闘機の導入が急務だったため昭和18年9月に試製雷電の名称で生産が開始され、翌19年に制式採用となった。
 海軍が出した高速重武装の要求に答えるため、当時使用可能なエンジンの中では出力が最大の大型エンジンを搭載したためズングリした形となった。部隊配備当初は大きなエンジンによる視界不良やエンジンの不調などで操縦士には評判が悪かったが大戦末期B−29の迎撃任務で初めてその真価を発揮して、傑作機と認められた。しかし残念ながら製造着手が遅かったため、工場は爆撃で破壊され、少ない生産機数では戦局を挽回するには至らなかった。

機体詳細データ(局地戦闘機「雷電」二一型[J2M3])
全長 9.70m全高 3.87m
全幅10.80m翼面積20.00m2
自重2,490kg最大重量3,440kg
最高速度610km/h(高度6,000m)上昇限度11,000m
航続距離約1,900kmプロペラVDM定速4翅
発動機三菱「火星」二三甲型空冷複列星形14気筒 公称1,575馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 938機
武装20ミリ機関砲×4、60キロ爆弾×2
主要タイプ 十四試局地戦闘機(J2M1):原型・試作機。「火星」一三型(離昇1,430hp)発動機搭載
十四試局地戦闘機改(J2M2):原型機。「火星」改一〇一型(後の二三型)発動機搭載
一一型(J2M2):最初の生産型。「火星」二三甲型(公称1,575hp)発動機搭載
二一型(J2M3):20ミリ機銃4丁を装備した武装強化型。防弾装備も強化
二一甲型(J2M3a):搭載銃を九九式二号四型銃に強化、爆弾搭載能力も強化
二三型(J2M7):二一型に「火星」二六型(公称1,510hp)発動機を搭載した機体
二三甲型(J2M7a):二一甲型に「火星」二六型発動機を搭載した機体
三一型(J2M6):視界改善(風防・胴体の改設計)を施した機体。武装は二一型に準ずる
三一甲型(J2M6a):三一型と同様の改良を組み込んだ機体。武装は二一甲型に準ずる
仮称三二型(J2M4):「火星」二三丙型(排気タービン付)発動機を搭載した実験機
三三型(J2M5):「火星」二六甲型(公称1,510hp)発動機搭載。高空性能強化
三三甲型(J2M5a):三三型と同じ発動機搭載。武装は二一甲型に準ずる