中島 局地戦闘機「天雷」

海軍:昭和18年〜20年

重武装を誇る双発迎撃戦闘機

天雷
地上駐機中の局地戦闘機「天雷」(複座型)

 太平洋戦争が始まって米軍の重爆撃機に対抗する必要が生じてきたため海軍は重武装・高速力を持った迎撃 用戦闘機の開発を行うことにし、中島飛行機へ対して昭和18年1月に試作指示を出した。
 要求された性能としては最大速度667km/h、20ミリ・30ミリ機関砲各2、操縦席や燃料タンクの 防弾など迎撃1本に絞ったものだったため開発もスムーズに進み開発指示から1年半後の昭和19年7月には 試作1号機が完成した。しかし「誉」エンジンが所要の性能を発揮できず要求された最大速度を出すことはで きず、他の試作機同様にエンジンの不調で涙をのんだ機体といえよう。
 武装はすべて機首部に集中して搭載していたが、開発途中に夜間戦闘機「月光」の 斜銃が爆撃機迎撃に有効であることが証明されたため、当機も胴体上部に斜銃が追加されている。
 終戦までに6機の試作機が完成したが発動機不調のため所要の性能を示せず実戦配備には至らなかった。な お試作5・6号機は夜間戦闘用として複座型に改設計されている。

機体詳細データ(局地戦闘機「天雷」[J5N1])
全長11.50m全高 3.51m
全幅14.50m翼面積32.00m2
自重5,000〜5,390kg最大重量7,200〜7,300kg
最高速度597km/h(高度5,600m)上昇限度11,300m
航続距離1,482〜2,740kmプロペラVDM定速4翅
発動機中島「誉」二一型空冷複列星形18気筒 公称1,800馬力×2基
乗員数 1名(複座型もあり)総生産機数 6機
武装30ミリ機関砲×2、20ミリ機関砲×2、30ミリ上方斜銃×2
主要タイプ 天雷(J5N1):原型・試作機。単座局戦、5〜6号機は複座型。採用に至らず