中島 夜間戦闘機「月光」

海軍:昭和16年〜19年

反骨司令官が生み出した夜間戦闘機

夜間戦闘機「月光」
夜間戦闘機「月光」一一型

 昭和13年に13試双発陸上戦闘機として開発がスタートしたこの機体は 零戦を上回る最高速度や運動性、 九六陸攻と同程度の航続距離や航法装置を求めた海軍の 過大な要求のため非常に大型の機体として完成したが、戦闘機として使用するには性能不足であった。
 試作1号機・2号機を使用して実験と改修の繰り返しを行ったが、過重や飛行安定性の不足などの問題を抱え、 それが解決されないまま、ひとまず 二式陸上偵察機として採用、以降も引き続き戦闘機 としての改良を加えたが、結局戦闘機としての使用は断念された状態になってしまった。
 しかし中央の反対を押し切って251空(旧台南空)司令だった小園安名中佐(当時)が試験的に斜め上方(又 は下方)に固定した機銃を装備した夜間戦闘機型を製作、南方戦線での大型爆撃機迎撃に大きな戦果を挙げたため、 海軍は昭和18年8月に斜め銃を装備した機体を改めて夜間戦闘機「月光」として採用した。
 格闘戦能力を求めた陸上戦闘機としては能力不足であったが、斜め銃装備型である「月光」は大型爆撃機迎撃に威 力を発揮し、南方戦線でのB−17迎撃や 本土防空でのB−29迎撃に多く使用さ れた。だが高高度を飛来するB−29に対してはあまり効果があったとはいえず、レーダーの開発の遅れも影響 して本土防空では目立った活躍は出来なかった。なお一部の機体は艦船攻撃や特攻用としても使用された(終戦 時残存機は約40機)。

機体詳細データ(夜間戦闘機「月光」一一型[J1N1−S])
全長12.13m全高 4.56m
全幅17.00m翼面積40.00m2
自重4,562kg最大重量7,527kg
最高速度504km/h(高度5,840m)上昇限度9,320m
航続距離2,547〜3,778kmプロペラハミルトン定速3翅
発動機中島「栄」二一型空冷複列星形14気筒 公称1,100馬力×2基
乗員数 2名総生産機数 477機(二式陸偵改造型含む)
武装20ミリ機関砲×4(上方・下方固定各2)、250キロ爆弾×2
主要タイプ 一一型(J1N1-S):上下2丁ずつの斜銃を搭載。後期生産型は電探を装備
一一甲型(J1N1-Sa):上面斜銃を3丁に強化。一部機体には電探を装備
一二型:「金星」発動機搭載の出力強化型。計画のみ。呼称は予定のもの