愛知 二式水上偵察機

海軍:大正15年〜昭和4年

独ハインケル社設計の艦載水偵

二式複座水偵
二式複座水上偵察機(ハインケル社が製作した試作機He25)

 艦上から水上偵察機を射出する射出機(カタパルト)が実用化される以前、日本海軍では艦上に設けた 特設滑走台から航空機を自力で発艦させる方法を考えていた。大正11年(1922年)に建造を開始した 「古鷹」型重巡にはハインケル社製の 発進台が4番砲塔上に設置され、ここから水上偵察機を発進させる方法を取ることにした(後に火薬使用の 射出機に変更された。準同型艦の「青葉」型は 竣工当初から射出機を装備していた)。
 海軍では発進台の開発と共に、その発進台から自力で出撃できる機体開発をハインケル社に依頼。この 発注は第1次大戦の敗戦で航空機製造を禁止されていたハインケル社にとって喜ぶべきものであったようで、 発注の翌年(大正15年)には複座型He(HD)25と単座型He(HD)26試作機が完成した。
 審査の結果優秀な成績を収め、戦艦「長門」 に設置された特設発進台からの発進試験も成功したため、複座型He25を昭和3年に二式複座水上偵察機として 制式採用した(単座型も同時に仮称二式単座水上偵察機として採用されたが、量産されなかった。後に「ハインケル」 水上偵察機の名称を与えられている)。
 輸入期を元に愛知で国産化が行われ、昭和4年までに14機が製造された。昭和9年頃まで艦載水偵として 使用されている。

機体詳細データ(二式複座水上偵察機)
全長 9.68m全高 4.26m
全幅14.86m翼面積54.93m2
自重1,601kg最大重量2,343kg
最高速度200km/h(海面高度)上昇限度不明
航続時間3.5〜6.0hプロペラ固定ピッチ2翅
発動機ネ式四百五十馬力発動機水冷W型12気筒 公称450馬力×1基
乗員数 2名総生産機数14機+輸入2機(He25のみ)
武装7.7ミリ機銃×2、30キロ爆弾×4
主要タイプ HD25(He25):ハインケル社製艦載水上機。複座型。二式水偵の原型
HD26(He26):ハインケル社製艦載水上機。単座型。仮称「ハインケル」一号水偵
二式水偵:HD25を国産化した機体
二式単座水偵:HD26を国産化した機体。「ジュピター」六型(公称420hp)発動機搭載