広廠 九一式飛行艇

海軍:昭和7年〜12年

全金属製近代飛行艇への脱却

九一式飛行艇
横須賀空所属の九一式一号飛行艇

 一五式飛行艇八九式飛行艇の後継機として昭和6年 (1931年)に広海軍工廠で試作が開始された機体。全金属製の近代的飛行艇を目指して設計された。
 翌昭和7年に試作機が完成し、各部を改修しながら審査が行われた結果、昭和8年に九一式飛行艇とし て制式採用された。
 試作機の段階で改修を繰り返したため、制式採用時点には陳腐化した機体となっていたが、発動機を空 冷に変更し、尾翼設計を改めた二号は当時各国が採用していた同クラスの飛行艇と比べても遜色無い機体 で、昭和12年には横浜〜サイパン間を無着水で飛行するなどの記録を樹立した。
 日華事変では本土と大陸間の輸送飛行や沿岸の哨戒などに活躍し、また、後に 九九式飛行艇の開発に経験と技術を提供した点 で評価できる機体である。

機体詳細データ(九一式一号飛行艇[H4H1])
全長16.68m全高 5.81m
全幅23.55m翼面積82.70m2
自重4,924kg最大重量7,500kg
最高速度207km/h上昇限度4,970m
航続距離2,000kmプロペラ固定ピッチ4翅
発動機広廠「九一式」六百馬力発動機水冷W型12気筒 公称600馬力×2基
乗員数 7名総生産機数47機(全タイプ計)
武装7.7ミリ機銃×3、250キロ爆弾×2
主要タイプ 一号(H4H1):「九一式」六百馬力発動機搭載、高翼・H型尾翼型
二号(H4H2):「明星」一型または二型(公称760hp)発動機搭載、肩翼・上方垂直尾翼型