川西 二式飛行艇

海軍:昭和17年〜20年

世界最高水準の高性能大型飛行艇

二式大艇
二式飛行艇一二型

 昭和13年(1938年)に九七式飛行艇が採用されるとすぐに、 海軍は後継機の開発を川西航空機に指示した。これは九七式飛行艇を超える大型飛行艇の開発には時間がかかると 考えたからである。その試作指示を受けた川西は従来の航続距離重視の設計を改め、高速力をも兼ね備えた高性能 飛行艇の設計を行い、昭和15年に試作機を完成させている。この試作機は十三試大型飛行艇[H8K1]と呼ばれ、 長期間社内での運用試験と改修を行った結果、昭和17年に二式飛行艇として海軍に制式採用された。
 また、H8K1−Lを発展させた輸送機型として二式飛行艇「晴空」も 海軍の注文により36機生産されている。
 二式飛行艇はこれまでに生産された飛行艇の中でも最良の軍用飛行艇であると言っても過言ではなく、 飛行艇の雄といわれた川西航空機の集大成といえる機体であろう。また、当機を設計した技術者達は戦後、 新明和PS−1を 生み出している。

機体詳細データ(二式飛行艇一二型[H8K2])
全長28.13m全高 9.15m
全幅38.00m翼面積160.00m2
自重18,400kg最大重量32,500kg
最高速度465km/h(高度5,000m)上昇限度8,800m
航続距離最大7,200kmプロペラハミルトン定速4翅
発動機三菱「火星」二二型空冷複列星形14気筒 公称1,680馬力×4基
乗員数10名総生産機数167機(輸送機型含む)
武装7.7ミリ機銃×4、20ミリ機関砲×5、航空魚雷×2または爆弾最大2,000kg
主要タイプ 十三試大型飛行艇(H8K1):試作機。「火星」一一型(公称1,410hp)発動機搭載
一一型(H8K1):最初の生産型。「火星」一二型(公称1,410hp)発動機搭載
一二型(H8K2):「火星」二二型(公称1,680hp)発動機搭載。防弾装備・武装強化
仮称二二型(H8K3):一二型をより防弾強化、翼端フロートの引き込み式化。試作のみ
仮称二三型(H8K4):「火星」二五乙型(公称1,680hp)発動機搭載。仮称二二型改修