三菱 一式陸上攻撃機

海軍:昭和14年〜20年

長距離侵攻のため開発された「葉巻」型陸攻

一式陸攻
一式陸攻の編隊飛行(705空の一式陸攻一一型)

 昭和12年海軍の十二試陸上攻撃機として開発がスタート。昭和16年に制式採用された。
 本機に対する海軍の要求はエンジン4基の大型爆撃機に相当するものであったため、三菱重工では従来の設計方 針を根本的に変更し、さらに大量生産に適するように考慮した設計をした。しかし長距離を飛行するために機体重 量を軽減する必要から防弾装備を一切省き、主翼内にも燃料タンクを搭載し燃料携行量を増加させたため、敵の攻 撃を受けた際に一撃で火を吹くという有り様で、連合軍のパイロットからは「ワンショット・ライター」という有 難くないあだ名を付けられていた。
 また昭和18年2月ソロモン上空で本機に座乗した山本五十六連合艦隊司令長官が米軍の P−38戦闘機18機(実際に攻撃 を行ったのは16機)に襲撃され戦死したことは有名である。
 戦争末期には激甚な局面で使用されることが多く損害も多大だったため、2,400機以上が生産された当機も 終戦時には約160機が残存するだけであった。

機体詳細データ(一式陸上攻撃機一一型[G4M1])
全長19.94m全高 4.90m
全幅24.88m翼面積78.12m2
自重7,000kg最大重量9,500kg
最高速度426km/h(高度4,200m)上昇限度8,500m
航続距離2,852〜4,288kmプロペラハミルトン定速3翅
発動機三菱「火星」一一型空冷複列星形14気筒 公称1,410馬力×2基
乗員数 7名総生産機数2,416機
武装7.7ミリ機銃×4(前方、上方、胴体左右の各銃座)、20ミリ機関砲×1(尾部銃座)、
航空魚雷×1または800キロ爆弾×1または250キロ爆弾×4等
主要タイプ 一一型(G4M1):初期生産型。一部の機体には「火星」一五型発動機搭載
仮称一二型(G4M2):二二型の計画時呼称。機体改修も伴ったため二二型となった
仮称一三型(G4M1):「火星」一五型発動機搭載の一一型機体の社内呼称
二二型(G4M2):「火星」二一型(公称1,680hp)発動機搭載。4翅ペラ、搭載量増加
二二甲型(G4M2):二二型に電探を搭載、側方機銃を20ミリに強化した機体
二二乙型(G4M2):二二甲型の上方銃架機銃を長銃身タイプに変更した機体
二四型(G4M2a):「火星」二五型(公称1,680hp)発動機搭載。仮称一四型とも呼ばれた
二四甲型(G4M2a):二二甲型と同様の改良を組み込んだ二四型の呼称
二四乙型(G4M2a):二二乙型と同様の改良を組み込んだ二四型の呼称
二四丙型(G4M2a):前方機銃を13ミリ口径の物に強化した機体
二四丁型(G4M2e):特殊攻撃機「桜花」搭載母機。爆弾倉を改造、防弾装備を強化
二五型(G4M2b):「火星」二七型発動機搭載の実験機
二六型(G4M2c):「火星」二五乙型(燃料噴射式)発動機搭載の実験機
二七型(G4M2d):「火星」二五乙型(排気タービン付き)発動機搭載の実験機
三四型(G4M3):二四型の防弾装備を強化した機体。航続距離減少
三四甲型(G4M3):二二甲型、二四甲型と同様の改良を組み込んだ三四型の呼称
三四乙型(G4M3a):二二乙型、二四乙型と同様の改良を組み込んだ三四型の呼称
三四丙型(G4M3a):二四丙型と同様の改良を組み込んだ三四型の呼称
三六型(G4M3c):二六型同様、「火星」二五乙型(燃料噴射式)発動機搭載の機体
三六丁型(G4M3e):特殊攻撃機「桜花」搭載母機。三六型がベース
三七型(G4M3d):二七型同様、「火星」二五乙型(排気タービン付き)発動機搭載機