空技廠 特殊攻撃機「梅花」

海軍:昭和20年

有人V1飛行爆弾

写真なし

 昭和19年、戦局が悪化し艦船や航空機の損失が増加の一途をたどっていたため、本土防衛線死守の観点から 資材・燃料・動力・大量生産性・戦法などを再編成した新型機を開発、これを特攻機として使用することが 検討された。
 ちょうど当時欧州戦線でドイツが英国爆撃に使用していたV1無人飛行爆弾の戦果が日本にも伝えられてきて おり、V1ロケットの機体情報も日独軍事同盟の技術協力という形で入手できていたため、V1をベースにした パルスジェット特攻機「梅花」が戦局の早急回復用兵器として提案されたのも当然の結果であろう。
 川西が開発担当となった機体は主要材に鋼材と木材を用いて、技術力の低い工場・工員でも生産可能なよう簡 略化され、搭載するパルスジェットエンジンは帝大航研・海軍第一空技廠・陸軍技研が協力開発することとなっ た。ドイツのV1は英国本土に対する無差別爆撃が任務であったため精度の高い誘導は必要でなかったが、日本 では対艦攻撃が主であったため精度の高い誘導を行うため有人化されており、出撃必死の特攻兵器であった。
 しかし、計画着手が遅かったため基本構想がまとまったのは終戦の半月前であり、終戦までに実機が製作でき るはずもなく、幸運にも当機が敵に向かって出撃することは無かったのである。
 ちなみに計画されていた機体案は3種類あり、ジェットエンジンの設置位置(機体上部に背負い式か機体下部 に吊り下げ式)などの違いがあった。

機体詳細データ(特殊攻撃機「梅花」(陸海軍共通名称は「試製梅花」))
全長約7.00m全高不明
全幅約6.60m翼面積約7.6m2
自重 750kg最大重量1,430kg
最高速度556km/h(高度6,000m)上昇限度不明
航続距離280kmプロペラなし(ジェット推進)
発動機「カ10」パルスジェット 静止推力300kg×1基
乗員数 1名総生産機数実機完成せず
武装100〜250キロ爆弾×1を機首部に搭載
主要タイプ 「試製梅花」:パルスジェット推進特攻機。設計段階で終戦のため実機完成せず