三菱 九二式偵察機

陸軍:昭和6年初飛行、昭和7年制式採用、昭和9年生産終了

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九二式偵察機(民間寄贈機である愛国号)

 川崎の開発した八八式偵察機は性能の良い機体で あったが、大型で軽快性を欠いていたため地上部隊と協力しての直協任務には不向きであった。そこで陸軍は 軽快な運動性を持つ近距離偵察機を開発することにし、三菱へ対地支援任務に従事する軽偵察機の試作を指示 した。
 三菱ではフランスから招いたベルニス技師の案となる単葉高翼式機2MR8と服部技師を主務者とする複葉 機2MR7の二案を陸軍に提出、審査の結果2MR8が有望であるとして試作機製作を命じられた。試作1号 機は昭和6年3月に完成、パラソル式単葉翼・全金属製骨格に布張りの機体(胴体後部のみ軽金属外皮)を持 つ機体だったが、ベルニス技師がすべてを頑丈に設計したため重量過多となり鈍重で操舵性も悪い機体だった。
 試作1号機と2号機で各種試験や荷重試験を繰り返し、再設計した3号機は主翼面積の縮小・胴体の縮小な どの改良が行われており、これにより運動性・操作性が向上、陸軍の要求をほぼ満たせるようになったが速度 が不足していたため4号機では完成したばかりの国産発動機A5(後に九二式四〇〇馬力発動機として採用) を搭載して出力強化を図っている(これが純国産発動機を搭載した初の軍用機となった)。この4号機が昭和 7年に九二式偵察機として採用され量産が開始された。
 主に満州や中国大陸方面で近距離偵察任務に従事、陸上部隊との協同作戦では目論見どおりの能力を発揮し ている。

機体詳細データ(九二式偵察機[2MR8])
全長 8.52m全高 3.48m
全幅12.75m翼面積26.0m2
自重1,060kg最大重量1,958kg
最高速度220km/h(高度1,000m)上昇限度5,700m
航続時間4〜5hプロペラ金属製固定ピッチ2翅
発動機三菱九二式四〇〇馬力発動機 空冷星形9気筒 離昇475馬力×1基
乗員数2名総生産機数約210機
武装7.7ミリ機銃×4(前方固定2、後方旋回2)、爆弾最大120kg
主要タイプ 九二偵:社内呼称2MR8。複座近距離偵察機
改造型:スキー装備機やカタパルト射出装備を持つ機体がごく少数製作された